幼稚園施策及び運営

  幼児教育においては、生涯にわたる人間形成の基礎を築き、そのうえに一人ひとりの子どもの個性が花開いていくといわれています。したがって、その教育を担う家庭、地域社会、そして幼稚園をはじめとする保育施設は、一人ひとりの個性の開花を支援していく重大な役割を担っています。
 ところが、近年、さまざまな社会的変化のなかで、子育ての場としての家庭と地域社会における教育力の低下が指摘されています。そして、それに対応するため、幼児教育の専門機関である幼稚園にも新たな役割が必要です。



  ・入園率が約54%と低い。(平成12年5月1日現在)
  ・3歳児保育・預かり保育が実施されていない。
  ・私立幼稚園に比べ、特色ある保育活動がなされていない。
  ・地域への子育て支援事業が実施されていない。
  ・教諭が高齢化している。
  ・私立幼稚園の1.5倍程度の運営経費を要している。
 
 以上が、公立幼稚園がかかえる課題です。
 今後、公立幼稚園は、安心して幼児教育を委ねられる園づくりを目指すとともに、守口市における幼児教育全般を視野に入れた、新たな機能を備えた幼児教育センターとして転換していくことも検討すべき時期にきています。一方、少子化による幼児数の減少を背景に、幼稚園の入園率はここ数年51%〜54%で推移するなど、そのあり方についても抜本的に問い直さなければなりません。



○幼稚園教育の質的向上
 公立幼稚園が、市内の幼児教育の発展に寄与するためには、7園すべての園で教育の質的向上に努めなければならなりません。
1.教職員の資質向上
 幼稚園教育の水準を向上させ、保護者のニーズや期待に応えるためには、教職員の役割はきわめて重要であり、教職員の資質の向上に努めなければなりません。このため、教職員は、日々の教育実践において意識改革を図るとともに、園内・園外研修を通じて質の高い実践力を培うなど、常に積極的な姿勢で自己研鑽に努めなければなりません。
 その際、公立幼稚園は、私立幼稚園の参加と協力の下に、また保育所の協力も得ながら、公私立幼稚園間、幼稚園保育所間、幼稚園小学校間での教職員の交流・研修を進める必要があります。
 また、これまでの実践の指導例や、新しい試みの成果を蓄積し、必要に応じてデータベース化して、市内の公立幼稚園等に提供・共有化するシステムの開発を目指さなければなりません。
 なお、今後の教員採用においては、男性教員の確保にも努めなければなりません。
2.教育内容・方法の改善
 公立幼稚園にあっては、一方では、これまでの実践の蓄積を基礎として、本来の幼稚園教育、すなわちより良い教育環境の中で遊びを通して行う総合的な保育のあるべき姿を追求することが求められています。同時に、他方では、時代の要請や社会の必要に応じて、今日的な教育課題に応え、柔軟に教育の内容及び方法を工夫・改善していくこと、あるいは保育に地域の人材活用を積極的に図っていくことが必要です。
 今日的な学習課題として次のような内容が考えられます。
 
  ・一人ひとりの幼児の主体性・社会性を育てるとともに、「心の教育」を推進する。
  ・自然体験や社会体験、地域の行事への参加、直接体験を重視する。
  ・小学生・高齢者・障害者との交流など、地域の異年齢・異世代との交流を積極的に行う。
 
○3歳児(3年)保育・預かり保育
1.3歳児(3年)保育
 国の施策として、子どもを産み育てることへの不安や負担感の解消に資する観点から,地域の実情に応じて,入園を希望するすべての3歳〜5歳児の幼稚園就園を推進しています。
 また、私立幼稚園については、満3歳に達した時点での入園(いわゆる前倒し入園)の実施を進めるよう求められています。
 守口市では現在、私立幼稚園において3・4・5歳の幼児を保育対象に、一方公立幼稚園では、4・5歳の幼児を保育対象にしていることから、今後3歳児(3年)保育の実施をどうするのかが一つの課題であります。
 しかし、少子化のさらなる進行に伴う幼児数の減少傾向や就労を希望する母親の増加に伴う保育所への希望の増加傾向といった社会的要因による幼稚園・保育所を包括した幼児施設に対するニーズの変化も予想される現状にあって、公立幼稚園での3歳児(3年)保育の導入については、より慎重な検討が必要であります。
 
2.預かり保育
 預かり保育を実施するにあたっては、適切な指導体制を整えるとともに、園児一人ひとりの特性に応じた総合的な指導を行うといった幼稚園教育の基本を踏まえるとともに、教育課程に基づく午前中の活動との関連、幼児の心身の負担、家庭との密接な連携などに配慮して、実施に向けた検討が必要です。
 
○子育て支援センターとしての役割
 これからの幼稚園にあっては、市内の子育て支援を推進する幼児教育施設への転換が時代の超勢に沿うものであり、これまでの歴史のなかで培われてきた幼稚園の機能・役割をさまざまな意味で子育て家庭・地域に提供していくことが必要です。
子育て支援については、園児の保育と異なり、対象が就学園児だけでなくすべての就学前児童となることから、例えば、次のような多様な機会の提供が必要です。
 
  ・子育てに関する悩みの相談
  ・未就園児の親子登園
  ・子育て公開講座
  ・子育てサークルへの支援と子育てリーダーの育成
  ・保育支援ボランティアの育成
  ・専門カウンセラーによる親子カウンセリング
  ・園庭・園舎の開放など
 
 こうした取り組みのなかには、施設面で、事業を行うための十分なスペースを確保することの難しい園もあります。しかし、園長を含める幼稚園の教職員、地域の人材活用により、人材面では子育て支援機能等を十分に担うことができるものと考えられます。また、幼稚園のみでは実施が難しいものもあり、今後、保育所や私立幼稚園との連携をはじめ、関係機関や専門家との連携・協力を図らなければなりません。
 さらに、公立幼稚園の園児数が減少し、学級数が減少していくようであれば、その余裕教室を活用して、「子育て支援センター」の設置も検討しなければなりません。
 その際、これまでの各園の保育定数を見直し、保有教室でのゆとりある保育活動を目指さなければなりません。
また、一方では、幼稚園独自及び市の側の側から、インターネットによる情報の発信や幼児教育に関するホームページの開設などに取り組み、各家庭、また市民に対して、市内の公私幼稚園に関する情報や子育てに関する情報を提供することが市民のニーズの対応と認知を高めるのに有効です。


● 戻る 


Copyright 2002 Moriguchi-city Osaka-pref JAPAN.All Rights Reserved.